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【昆虫記者】巨象の群れとバラ色のカマキリ
 昆虫記者のなるほど探訪

カオヤイで夢のジャングルライフ

 「タイで世界遺産巡り」。こういう文化的響きの宣伝文句に妻は弱い。木の根に埋もれた仏頭で有名なワット・マハタートなど、アユタヤ遺跡は日本でもかなり知名度が高い。

 「バンコクの近郊にもう一カ所、世界遺産があるらしいよ。ついでに行ってみようか。どうせなら、1カ所より2カ所」と、強引に旅行計画を立てる昆虫記者。もちろん、2つ目の世界遺産が自然遺産であることを明かすようなミスは犯さない。

 この自然遺産こそが6000平方キロ以上にも達する広大なドンパヤーイェン・カオヤイ森林地帯なのだ。その中心に位置するカオヤイ国立公園は、野生動物の宝庫。当然虫の宝庫でもあるはずだ。

 アユタヤがメインと思い込んでいた妻。バンコクでシティーライフを想像していた息子。その裏をかくように、旅の中心は、またもやジャングルだ。リゾート気分に浸って、気を緩めていると、道路上でばったり野生動物と出会って、危険な状況になることもあるのだという。「何なのこれ、世界遺産って、遺跡じゃないの?。冗談でしょ。うそでしょ。信じられない。詐欺だ」。そんな非難の声は覚悟の上だ。

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